政府が「強制遮断」を要請ってどういうこと?GMOの脅迫サイトをめぐる異例の対応

政府による異例の「強制遮断」要請(イラストはイメージです)

10月29日、政府が通信事業者に対し、GMOインターネットグループの顧客情報とされるものが載った脅迫サイトへのアクセスを遮断するよう要請したと報じられました。ふだんは「通信の秘密」で守られているはずのネットの通り道を、なぜ国が止めようとするのか。カエルとウサギで整理します。

ねえ、政府がネットのサイトを「遮断してほしい」って頼んだってニュース、見た?

見たよ。10月29日に報じられた話で、総務省が電気通信事業者の業界団体を通じて、通信事業者に遮断を要請した、とされているよ。日経の報道では、要請は27日付だったとされている。対象は、GMOインターネットグループから盗まれたとされる顧客情報が載った、脅迫のためのサイトだって。

目次

まず起きていたこと:10月27日に情報が公開され、28日に見られなくなった

そもそも何があったの?

GMOのクラウドサービス「お名前.com デスクトップクラウド」への不正アクセスが確認されていて、脅迫してきた側が10月27日に顧客のものとされる情報を1人分サイトに載せた、と報じられているよ。そのサイトは翌28日には見られなくなったんだ。

じゃあ、その「見られなくなった」のが、今回の遮断の要請の結果なの?

ここが大事なところで、そうではないと報じられているよ。サイトが28日に見られなくなったのは、今回の遮断要請の結果ではないとみられている。GMO自身も28日、関係先との対応でサイトのドメインが28日未明に停止し、同じ情報を載せたミラーサイトも見られなくなったと説明しているんだ。

なぜ「強制遮断」は異例なのか

それなのに、どうして改めて遮断の要請が出たの?

情報がさらに広がるおそれがあったから、と報じられているよ。ただ、特定のサイトへのアクセスを止めるというのは、利用者みんなの通信先を把握することにつながるため、憲法で保障された「通信の秘密」に触れるおそれがあるんだ。だからこそ、個人情報の拡散のリスクが現実になった緊急の措置として、必要で許容できると判断された、という説明になっているよ。

政府は正式に認めたの?

木原官房長官は29日の記者会見で、個別の対応についてはコメントを控えつつ、事案は継続中で、関係省庁や警察当局と連携して必要な措置を速やかに講じていると述べた、と報じられているよ。つまり「要請があった」と報じられている段階で、政府がその具体的な中身を認めたわけではないんだ。ここは断定しない書き方にしているよ。

実際に遮断されたかどうかは、わかるの?

要請を受けた事業者が実際に遮断したかどうかは、29日時点の報道では明らかになっていないよ。ここも「要請」と「実施」を混ぜないことが大事だね。

GMO側の動き

GMO側からは、何か動きはあったの?

熊谷正寿社長が29日、自分のSNSに「犯人の特定につながる有力な情報を入手した」と書き込んだよ。社内の対策チームが見つけて、警察などに提出するということだよ。

私たちが気をつけること

私たちにできることってある?

まず、脅迫サイトやそこに載ったとされる情報を探したり、拡散したりしないこと。GMOも、脅迫側のものとみられるサイトへ誘導したり、その内容を共有したりしないよう呼びかけているよ。拡散自体が、脅迫側の狙いを手伝うことになりかねないからね。

「強制遮断」って、ほかでも議論になっていたよね?

うん。最近は、違法な海外オンラインカジノのサイトに対して遮断を使うべきかどうかでも議論が起きているよ。今回の件は個人情報の拡散防止という緊急の理由だけれど、「どこまで国がネットの通り道に手を入れていいのか」という線引きの議論は、これからも続きそうだね。

まとめ

  • 10月29日、政府(総務省)が通信事業者に、GMOの顧客情報とされるものが載った脅迫サイトの遮断を要請したと報じられた(要請は27日付とされる)。
  • サイトは10月27日に情報を公開し、28日には見られなくなったが、それは今回の要請の結果ではないとみられている。
  • 遮断は通信の秘密に触れるおそれがあるため異例で、要請の具体的な中身や、事業者が実際に遮断したかどうかは29日時点で明らかになっていない。
  • 脅迫サイトへの誘導や情報の拡散はしないこと。

参考リンク

※要請の具体的な中身や、事業者が実際に遮断したかどうかは、10月29日時点の報道では明らかになっていません。要請の事実は関係者への取材に基づく報道として伝えています。

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